環境論(3年生)

 3年生の環境論では3年間の学習の集大成として、「環境」をテーマに1年間かけ論文を作成します。今年もすばらしい論文が数多く完成しました。
 ここでは、その一部をご紹介します。

 生徒の論文 (一部抜粋して紹介

日本を環境大国へ (温暖化防止において)

序章
  現在、環境問題は世界的なものになっている。その中でも温暖化は深刻な状態となり、早くも大型ハリケーンや異常気象に姿を変えて人類に少なからぬ影響を与え始めている。
  温暖化の原因と考えられている(二酸化炭素を主体とする)温室効果ガスは人類の進化と共に日々増え続けている。日本では、京都議定書の温室効果ガス削減量を目標にさまざまな政策を行った。しかし、EUが大幅な削減に成功する中、日本は削減目標に程遠い状態のままである。
  では、これから日本はどのようなことをすればいいのだろうか。そこで今回は、他国で行われている環境対策を調べ、それを日本でも実行することができるのか、また、実行した場合どのような問題が起きるのかを考え、一番現実的で効果的な環境対策を調べてみることにした。

第1章
     日本の現状 (本文略)

第2章
     環境大国ドイツ・スウェーデンの環境対策 (本文略)

第3章
     日本への導入 (本文略)

最終章
  調べていくことで、日本は環境政策において先進国の中では遅れていることがわかった。日本は世界の中でも環境問題に対する技術力が高く、京都議定書ではそれが認められて二酸化炭素削減量は1990年度比6%だった。しかし、大量生産・大量消費の日本社会は技術力ではカバーできず、二酸化炭素は減るどころか増加することとなった。今の日本に求められるのは、明らかに、環境をよくする技術ではなく、大きな効果がある環境政策であろう。そして、企業に対してだけでなく、家庭に対しても厳しい政策を行うべきである。


野焼き・焼畑の環境有用性と課題

序章
  現在、さまざまな環境問題が取り上げられているが、未だに明確な解決策が出されないままになっている。また、環境対策がより進んでいるのは先進国であり、発展途上国ではまだまだ環境に負担の大きい社会形態となっており、早急な対応が急務とされている。私は環境学習や地理の授業を通し、近年問題とされているのが、森林や草原における野焼き・焼畑農業だということを知った。しかし、野焼き・焼畑は古くから日本のみならずアジア地域でも営まれてきた行為であり、それが続けられて来たのには、人間社会や環境面から見てある一定の有用性が存在するためではないかと考え、今回は、野焼きと焼畑の有用性とこれからの課題について調べていくことにした。

第1章
     野焼き・焼畑とは (本文略)

第2章
     昔の野焼きと近代的な焼畑 (本文略)

第3章
     野焼き・焼畑の問題点 (本文略)

最終章
  今回の調査で、野焼き・焼畑は単に草木を焼き払う行為ではなく、生態系と密接な関わりがあり、「環境に悪影響がある」という声も聞こえるが、実際にはむしろ環境に与える影響はほとんどが有用なものであることがわかった。人間が自己利益の追求に走ったことで、野焼き・焼畑に関するメリットが評価されないことは、自然にとっても人間にとっても残念極まりないことである。これからは、より環境面から「地球規模で考え、地域的に行動する」のフレーズに表現されているように、広い視野で考え、身近なところで行動することが大切だと思う。