和白干潟研修(10月)
 目的
 和白干潟は福岡市の博多湾東部にある面積80haの干潟で、多くの底生動物が生息し、絶滅危惧種のクロツラヘラサギなどの世界的に貴重な水鳥が飛来する場所です。
 干潟の生き物の観察や干潟に関わる人々の活動を通じて、干潟の役割と人間と自然との共存について学習します。


 今年も講師として和白干潟を守る会の山本廣子さんに来ていただき、国際的に重要な湿地である和白干潟の生物や浄化作用などについて詳しく教えていただきました。
 
 
●バードウオッチング
 バードウオッチングをしています。過去20年間に235種の野鳥が記録されている和白干潟。
特にミヤコドリの定期的渡来地として全国的に有名な干潟ですが、残念ながらこの日は発見できませんでした。

●アサリの浄化実験
 汚濁水の入った2本のペットボトルを用意し、片方にアサリを入れ水質浄化の比較実験を行いました。その他、オオノガイ、ソトオリガイ、オキシジミ、マテガイなどの二枚貝も採取、観察できました。

●岩礁の観察
 干潟のゴミ拾いをしながら岩礁へ移動。
ここでは、多くのカキを観察することができました。
 岩礁での観察中、幸運なことに絶滅危惧種であるクロツラヘラサギを観察することができ、みんなで感激しました!!

●唐原川河口周辺のカニの観察

アシハラガニ
 ヨシ群落に生息するアシハラガニを探している様子です。カニの巣穴を調べると約5センチほどの大きなアシハラガニを発見することができました。
 求愛ダンスを踊っているハクセンシオマネキを観察しています。

●まとめ

 みんなで採取した底生動物の種類を確認しました。マメコブシガニやヤマトオサガニ、チゴガニなど数多くの生物にについて学ぶことができました。


 和白干潟は、東アジアの水鳥の渡りのルート、シベリアから日本列島を通り東南アジアやオーストラリアまで渡るルートと中国大陸から朝鮮半島を通り九州北部を通るルートの交差点にあたる国際的に重要な湿地です。また、水鳥たちの中継地・越冬地としても重要な場所です。
 現在、人工島の埋立工事による潮流変化で干潟の生態系に悪影響がでていることを知り、人と自然の共存について考えさせられる研修になりました。

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